みなさんは「スナック」にどのようなイメージをお持ちですか?
スナックと言えば比較的年齢層の高い方が集まってお酒とカラオケを楽しむ場所、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
最近では20代・30代と若い方でもスナックに通うことがあるほど魅力的な場所になってきています。
今回はそんなスナックの魅力と開業のチェックポイントをご紹介します。
スナックとは?
スナックとは、元来スナックバー(snack bar)のことで、軽食(スナック)を提供するバーを意味しています。
ママと呼ばれる女性がカウンター越しにお酒を提供してくれます。なお、スナックの中には男性のマスターが経営しているお店もありますよ。
スナックの魅力とは?
スナックにはそこでしか体感できないたくさんの魅力があります。
- お店だけどアットホームな空気感
- 初めて会うお客様とも会話が弾む
- 世代を超えてカラオケも楽しめる
- とにかく盛り上がれて楽しい
スナックの魅力は、人と空間で作り出された温かさと我が家のようなアットホームな雰囲気にあるのかもしれませんね。
スナックを開業する際のポイント
ポイント1、お店のコンセプトは明確に!
どんなお店にしたいか?どんな空間でお客様に楽しんでいただきたいか?を決めておくことは、お店づくりに非常に大切です。
コンセプトの立て方はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
お店のコンセプトを考えるなら「コンセプトシート」がおすすめ!
事前に考えておくべきポイントがまとめられているので、空白を記入するだけでカンタンに整理できます!
ポイント2、お店のエリアや客層を意識!
お店に来てくれる顧客層のイメージを明確にしておくことが大切です。年齢層と職業層の両方で考えましょう。
ワイワイと楽しく騒げるお店か、静かにゆっくり話せるお店か、団体客向け・個人客向けか、なども検討が必要です。
そのエリア全体の客層や、周囲のお店の傾向なども考慮して、どんなお客様向けのお店にしたいかを考えましょう。
<注意>
都市計画法で「用途地域」が規定されており、地域によっては店舗の開業が規制されている場合があります。 ナイト物件が出店できる地域かどうか、不動産会社や自治体に確認しましょう。
用途地域などの確認も含め、物件探しにお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
物件探しのお手伝いをいたします!
スナックの開業に必要な資金
スナックの開業資金は最低でも500万円程度が必要です。(開業地域によってはもう少し資金を抑えることもできます)
なお、居抜き物件などを選択することで内装をそのまま使えるため、内装工事費を大幅に削減することができますよ。
<ポイント①>
開業資金は「設備資金」と「運営資金」に分けられます。
●設備資金
設備資金とは開業するまでに必要な資金のことを指します。
例)費用内訳
・物件の取得費用:約200万円
・内外装工事費、厨房設備、空調、テーブルやソファなど:100~200万円
・宣伝費用や求人費用など:30~100万円
●運営資金
運転資金とは、開業してから必要な資金(会社が事業を続けていくうえで必要な資金)のことです。
開業してからすぐに経営が軌道にのることは難しいため、軌道にのるまではこの運転資金を活用します。
・人件費
・家賃
・水道光熱費
・カラオケ、POSレジ
・設備のメンテナンス費用など
開業時の運営資金は3か月分程度を目安として用意しておくのが良いでしょう。
<ポイント②>
開業資金が不足する場合は、公的融資制度を利用すると低金利で資金調達が可能です。
●新規開業資金【中小企業経営力強化関連】(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫では、新規開業者のため融資制度を設けています。新たに事業をはじめる人や店舗を開業する人が利用できますよ。
また、女性や若者、シニア層が創業する場合や、廃業歴のある人が創業に再チャレンジする場合、企業が中小会計を適用して創業する場合など、一定の要件に該当する場合には通常よりも有利な条件で融資を受けることが可能です。
引用:日本政策金融公庫HPより
●信用保証協会
信用保証制度でも低金利でスナックの開業資金の融資が受けられます。
引用:信用保証協会HPより
創業融資や制度融資は手続きが煩雑なため、ハードルが高く感じるかもしれません。その場合、行政書士や税理士に依頼すると融資申請手続きを代行してもらえますよ。
ここからは、スナックを開業する際に必要な資格と申請をご紹介します。
スナックの開業に必要な資格と申請
スナックを開業する場合、法律で定められた要件を満たし、行政手続きの手順に則って営業許可を申請する必要があります。
必要な資格の取得や許可を申請せずに開業すると、違法な営業となるため、必ず資格の取得や許可を申請しましょう。
<ポイント>
資格の取得や申請には時間がかかるため、早めに準備を行いましょう。
資格
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
申請
- 深夜酒類提供飲食店の営業許可または風俗営業許可の申請
- 飲食店営業許可
資格
1、食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を扱う施設で食中毒などを発生させないように、食品衛生法に則って管理運営を行う責任者としての資格です。
食品を扱う施設の場合、営業許可を申請する店舗1店舗ごとに、1名以上の責任者を置く必要があります。
なお、スナックではお酒やおつまみを提供するため、食品衛生責任者の資格保持者が必須です。
<ポイント>
各都道府県の食品衛生協会が開催する養成講習を受講すれば、どなたでも取得することができますよ。
なお、調理師や栄養士、食品衛生管理者などの免許・資格をすでに持っている人は、受講が免除されます。
2、防火管理者
防火管理者は、管理する施設の消防計画を作成し、防火対策の責任を負う役割を持ちます。
施設の規模にかかわらず管理者として登録できる「甲種」と、小規模な施設のみで管理者となれる「乙種」があります。
スナックに防火管理者設置が必要となる条件は、収容人員30名以上の物件です。
資格を取得した後は、管轄する消防署に選任届を提出してくださいね。
申請
1、深夜酒類提供飲食店の営業許可または風俗営業許可の申請
お店の営業時間や接待の有無により、営業許可の申請内容が異なります。
ご自身のお店はどちらの申請が必要になるか、事前に確認しましょう。
●深夜酒類提供飲食店
風営法に基づき、スナックで深夜0時以降も酒類を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店の営業許可が必要です。
営業開始の10日前までに、管轄する警察署に必要書類を提出しましょう。
●風俗営業許可
風俗営業許可は、飲食だけではなく接待を提供するスナックに必要です。
ただし深夜0時以降の営業はできません。
<ポイント>
風俗営業の許可と深夜酒類提供飲食店の営業許可を同時に取得することはできません。
事前にどちらを選択するのか検討しておきましょう。
2、飲食店営業許可
お酒やおつまみを提供するスナックでは、飲食店営業許可も必要です。飲食店営業許可は、管轄の保健所へ申請しましょう。
<ポイント>
店舗の内装工事を行う場合は、着工前に設計図などを持参して、飲食店営業許可における必要条件を満たしているかを確認しましょう。
<注意>
保健所に営業許可を申請してから許可が下りるまでには、施設が条件を満たしているかを確認する検査が入るため、数週間以上かかるケースが多くあります。
また、営業許可には期限が定められており、満了日の1カ月前までには更新手続きが必要です。
今回のまとめ
スナックとは、元来スナックバー(snack bar)のことで、軽食(スナック)を提供するバーのこと。
●スナックの魅力
- お店だけどアットホームな空気感
- 初めて会うお客様とも会話が弾む
- 世代を超えてカラオケも楽しめる
●スナックを開業のする際のポイント
- ポイント1、お店のコンセプトは明確に!
- ポイント2、お店のエリアや客層を意識!
<注意>
都市計画法で「用途地域」が規定されており、地域によっては店舗の開業が規制されている場合も。
ナイト物件が出店できる地域かどうか、不動産会社や自治体に確認が必要。
●スナックの開業に必要な資金
開業資金は最低でも500万円程度が必要。
<ポイント>
開業資金は「設備資金」と「運営資金」の二つ。
・設備資金
設備資金とは開業するまでに必要な資金のこと。
・運営資金
運転資金とは、開業してから必要な資金(会社が事業を続けていくうえで必要な資金)のこと。
●スナックの開業に必要な資格と申請
資格
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
申請
- 深夜酒類提供飲食店の営業許可または風俗営業許可の申請
- 飲食店営業許可
<ポイント>
今回はスナックの魅力と開業のチェックポイントをご紹介しました。
お客様の癒しの空間を作り出す、ママ・マスターは他の業態にもなかなか無い非常に魅力的な存在です。
ぜひたくさんの方々に愛されるお店づくりの参考にしてください。
書いた人:ナイト店舗開業支援事務局
こうご:主に記事・イラスト担当。20代に夜の飲食店の楽しさを知り、ディープな世界観に魅了される。
荒木・原・板東:ナイト市場のカラオケ提案を最前線で行い、カラオケナイト市場のいろはを知り尽くした猛者達。その経験・知恵を記事に落とし込み、生きた記事を生み出せる源になっている。