セミナーレポート「お店の女の子が売れっ子になる秘訣は!?銀座の老舗クラブのママが語る 売上を上げる接客術&従業員の教育術」
カラオケメーカーJOYSOUND(株式会社エクシング)は数多くの夜の飲食店へ通信カラオケを提供しています。
近年では新型コロナウイルスの影響もあり、ナイト業界の縮小傾向が続いていました。
2023年現在では、コロナ規制緩和による恩恵は一定数感じる一方、コロナ以前から抱えていた「人手不足」は飲食店・ナイト店業界のみならずサービス業全体で顕在化している状況です。
そこで、縮小傾向にあるナイト店業界の活性化へ寄与することで、再びナイト業界に活気を取り戻して行きたい、1店舗でも多くの方にご出店いただきたい。そんな思いから夜のお店の開業や経営に関するセミナーを開催しています。
イベント情報
今回は、有名クラブ3軒を渡り歩き、いずれの店舗でも圧倒的なナンバー1として君臨。31歳で『ル・ジャルダン』を自己資金で開店し、銀座『クラブ ル・ジャルダン』他クラブ6店舗のスナック・飲食店・バーなどを経営している、CLUB Le Jardin オーナーママ/株式会社エーアンドエム代表の望月明美氏にご登壇頂きました。
この度の登壇では、銀座で20年以上第一線を走る老舗クラブ「ル・ジャルダン」のオーナーママ望月明美氏の「生きるテクニック」を余すことなくお届けしていただきました。
また、「人手不足」という課題にスコープを当て、「既に勤めている従業員、コストをかけてやっと採用した従業員を育成し、限られた人員で売り上げの効率化を図ること」にも非常に有効な内容をお話いただいています。
クラブに限らず、スナックやラウンジ、ガールズバー、コンセプトバーなどのナイト店の接客のヒントとなるノウハウが詰まっています。
また、経営者としてのご経験からお話をいただくことで、現在事業をされている方やこれから起業したいという方の指針になる内容となっていますので、ぜひ以下のレポートも参考にしてみてください。
開催日時:
2023年7月31日 14:00~15:00
2023年8月4日 14:00~15:00
2023年8月8日 14:00~15:00
場所:オンライン
料金:無料
登壇者の紹介
CLUB Le Jardin オーナーママ/株式会社エーアンドエム代表
望月明美
銀座『クラブ ル・ジャルダン』他クラブ6店舗のスナック・飲食店・バーなどを経営。
有名クラブ3軒を渡り歩き、いずれの店舗でも圧倒的なナンバー1として君臨。31歳で『ル・ジャルダン』を自己資金で開店。
現在は経営者として人材育成に努め、講演活動や執筆も手がけている。
著書は『愛されるための39のエッセンス』『可憐に、そしてしたたかに – 銀座のママが教える魅せる女の十二章』『銀座ママはお見通し 愛され美人といい男の秘密』 『“本命(カレ)”をトリコにする方法』『銀座ママがそっと教える「空気が読める人」の会話術』 『100年に1度の不況に負けない銀座ママの経済学』『一流のホステスが教える好かれる男と好かれる女』『ル・ジャルダンへようこそ』など多数。
近日発売予定の『夜職ダイエット』も、話題となっている。
セミナー内容
ここからは、セミナーでお話頂いた内容をご紹介していきます。
「女の子を売れっ子に育てること」を信条にしている
ル・ジャルダンでは「女の子を売れっ子へと育てるか」ということに非常に注力しているそうです。
そのためには、お店の女の子の教育が重要。
そこで、「ル・ジャルダン」の従業員のフォローの取り組みは、「多くのミーティングを設定し、新人女の子の考え⇔オーナーママまで届くようにする」というもの。
そうすることで一つの体の様に、組織が躍動していくとのことです。
また、オーナーママも新人の子から情報を共有してもらうことでママ自身もバージョンアップしていきたい!と相互で切磋琢磨し、組織全体を更に磨き上げていくことを大切にしているそうです。
<ル・ジャルダンのミーティング>
①総合ミーティング
┗グループ店全員を一堂に集めて開催
②売れっ子⇔伸び悩む子の意見交換会
┗5人くらい集めて実施
③ママによる講習会・お悩み相談
┗ロープレも交えた実践や座学
女の子の教育ルーツに対する課題とアプローチ
ル・ジャルダンの女の子は様々な業態(クラブ・キャバクラ・スナック・ガールズバー・芸者)で接客をしていた場合が多く、教育のルーツがバラバラです。
そのような場合は、受けてきた教育内容によっては女の子たちの才能がうまく活かされていないことがあるようです。
接客のプロであるオーナーママ明美氏は「英語を話せるようになるには、英語を話せる人に指導してもらうべき」と語ります。同様に、お店での接客については接客のプロに指導を受けることが必要です。そのため、様々なお店で様々な方々(黒服・お客様など)から受けてきた接客の教育概念から脱し、まずは明美ママの考える接客の教育について、女の子に耳を傾けてもらうことからスタートしているようです。
自分を「アピール」できる自己紹介の1文を持つ
ル・ジャルダンには多くの女の子が在籍しています。
女の子はお客様に少しでも自分のことを覚えてもらう必要があります。そのような場合に有効な手段が「自分をアピールできる自己紹介の1文を持つ」というもの。
「自分が何者であるかを一言で語り、夢を伝える」。そして自分の中にキャラクターを作り、そのキャラクターに装い、「キャラを売る」ということが、お客様に自分を覚えてもらうには非常に有効な手段であるようです。
<ポイント>
キャラクターを装う=自分をプロデュースする
キャラクター作りには「衣装、化粧、髪型、所作」をどう変えていくかによってイメージも大きく変わっていきます。
以下の3つを参考に、キャラクター作りをすることがおススメとのことです。
①自分がどう装ったら一番インパクトがあり、効果的なのかを考える!
②売れっ子の変身の仕方、化け方を参考に!
③街の雰囲気やお店のコンセプトにも合わせて!
女の子は化粧や髪型でガラリと変わるもの。是非いろいろ試して一番自身を活かせるキャラクター作りを模索する際に意識してみてはいかがでしょうか。
接客基本四手で売れっ子の女の子に!
ル・ジャルダンでは①~④の接客基本四手を大切にお客様を接客しているようです。
①笑顔
心からの「ように見える」笑顔+大好き目光線
特に「大好き目光線」は売れっ子の女の子は皆さん使っている手段のようです。
②聞く
売れっ子になる女の子は皆さん聞き上手!さらにお客様の話を引き出す力があるそうです。
<聞き上手が抑えている3つのポイント>
1、大きなリアクション
2、流れに沿った質問&流れを変える質問
3、相手が望む答え
③誘う(宿題をもらう)
女の子はお客様に名前を覚えてもらい、指名してもらう必要があります。その場合、「誘う・宿題をもらう」はお客様に自身の名前を覚えてもらうためには有効な手段のようです。
お客様は1回の来店で5~6枚の女の子の名刺をもらうため、女の子がお客様に覚えてもらうことが大変です。
その場合、「お客様を誘う」または「お客様に宿題をもらう」と、お客様と女の子の共通認識を増やすことで、より自身の名前を覚えてもらいやすくなるようです。
誘う:お客様とル・ジャルダン以外のお店で食事をする
宿題:お客様の好きな本・映画・食べ物を女の子も体験しておく
④お礼
お客様が来店された翌日のお礼も、お客様に思い出してもらうために大切です。
お客様は1回の来店で何枚も女の子の名刺を受け取るため、どの女の子とお話したかがわからないこともあります。
女の子はインパクトのある会話やメールを送ることで、お客様に自身を思い出してもらったり、自身のことを覚えてもらう必要があります。
<メールを送る際のポイント>
基本の文章(挨拶文)+昨日話した内容+基本の文章(挨拶文)
昨日話した内容の例:
①昨日話してくれた●●を検索しました。とてもきれいなところですね。
②●●さんの●●のお話が大変印象深いです。御社は大変有意義なお仕事をされているのですね。
このように、自分を思い出してもらえるような一文をメール内に入れるようにする様心掛けると良いそうです。
また、一斉メールを定期的に配信することで、お客様のご機嫌伺いやお店や自身のCMにもなります。
お店の女の子から届いたメールは、企業から届くメルマガに比べお客様が開封しやすい傾向があるため、定期的に送ることが大切だそうです。
<一斉メールの効果>
①信用と安心の絨毯攻撃
お客様が2回目に来店し、女の子と同席した際に「いつもメールをくれる子だね」と覚えてくれていることも。
②太客さんへのカモフラージュ
太客さんへのヤキモチ対策として「太客さん以外のお客様は一斉メールの案内でお店に来店されたんですよ」など他のお客様とのサービスの違いを強調する材料に!
③反抗期のツール
お客様が反抗期(喧嘩しても・来店しなさそうでも…)になったときにも非常に効果的!
お客様へ満足していただくことと、そして自身をいかに覚えてもらう(思い出してもらう)かという2つの目的をしっかり達成するには、自身を忘れられないような方法を、日々継続してアクションすることの大切さがわかりますね。
講義内では、他にも明美ママの年代を追ったキャラクター作り変遷の紹介や、お客様へのリアクションの例を実演していただくなど、大変勉強になるものばかりでした。
講義後の対談
講義後は明美ママと進行役の原氏との対談が行われました。
原さん:
数多くの従業員を教育された中で、ずばりどのような方が伸びるとお考えですか?
明美ママ:
ずばりやる気のある子です。さらに、聞き上手で協調性がある子であればなお良いと思います。
原さん:
時代に合わせて教育の仕方が変わってきていると思いますが、ル・ジャルダンが教育においてチャレンジしていることはありますか?
明美ママ:
動画を活用しています。やはり、見て覚えてもらい、会話のイメージを掴んでもらうことが大切と考えています。動画内ではプロの俳優さんにもご出演いただいて、とにかくイメージを掴んでいただくことを意識しています。
参加者からの質問
参加者からの質問もアンケートを通じて出ていました。(一部抜粋)
質問:
女の子がお店を辞めたいとき、もしくはお店側から女の子に辞めてもらいたいと判断したとき、どのようにお店から女の子にお話をしますか?(栃木県・男性)
回答:
ケースバイケースです。例えば「お店をやめたい」という子がいる場合、女の子がお店を離れた後に、その子自身がどのような未来を考えているか、どのような選択をしていくかなど話を聞くことで、女の子自身にも改めて「自分はどうしたいのか」を再度考えてもらう機会を作ってあげるようにしています。
質問:
SNSやYouTubeなどで、さまざまなコンテンツを配信していらっしゃいますが、どのように運営していますか?お店の中でSNS担当者を立てるなど分担して更新していますか?(大阪府・男性)
回答:
配信する内容のイメージは私(明美ママ)がおおよそ決めています。
コンテンツの制作や配信などの作業は、専門の方のお力を借りて継続的に更新しています。
質問:
女の子や従業員同士の間でトラブルがあった場合、どのように対応していますか?(東京都・女性)
回答:
まずはトラブルになっている女の子やスタッフそれぞれから、お話を聞きます。
トラブルになるときは、お互いの認識違いが多いように感じています。話を聞くことで、お互いの誤解を解き、関係を修復できるようにしています。
質問:
お店で従業員や女の子に指導する立場の者です。
従業員育成の際、言葉で伝えるべきか、行動で示すべきか悩むことがあります。両方してしまうと、相手に自分で考えて行動する機会を奪ってしまうのでは?本人のためにならないのでは?と考えてしまいます。
明美ママは指導する際、どのようにして伝えていますか?
回答:
言葉で伝えること、行動で示すこと、両方が必要だと考えています。
『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。』
という山本五十六氏の有名な言葉がありますが、この通りです。言葉と行動の両方で伝え、相手を認めることで指導される側は成長することができます。
質問:
お店でのミーティングやお悩み相談会を通じ、若い女の子や新人の子の意見を直接聞かれるとのことですが、そこからどのようなことを感じますか?(神奈川県・女性)
回答:
ミーティングやお悩み相談会などで若い子や新人の子の話を聞いていると、若い女の子や新人の女の子は、お客様やご友人の言うことなどを、素直に・ストレートに受け止める傾向が強いように感じます。
素直な事はとても良いことですが、意見を受け入れる前に「本当にこの話は正しい?」と女の子が考え直すことが必要です。
受け取った情報が正しいかどうかを女の子自身で判断できるようになるには、経験と時間が必要です。
そのため、適切なタイミングで適切な情報を女の子に伝えることを心掛けるようにしています。
参加者からの感想
●大変勉強になりました、youtubeも拝見しました。当店のスタッフにも勉強の為に観てもらおうと思います。(匿名)
●普段教えるときに、どんなことをやっているか言葉にできず教育に悩んでいたので、大変参考になりました。(埼玉県・女性)
●現在、お店のオープンの準備中ですが、参加してよかったです。オープニングスタッフに未経験の子が多いので、テクニックを使わせていただきます。(北海道・女性)
●ダイニングバーで同伴食事をしクラブでおいしいお酒を飲み女の子と会話の流れでカラオケバーへの流れは完璧であり、凄い経営者だなと思いました。(大阪府・男性)
参加者の方の中には、夜の店舗での接客やスタッフ・キャストの教育に課題を抱えている方もいらっしゃいましたが、今回のセミナーで課題解決に繋がるヒントを得られたようです。
まとめ
最後にセミナー総括を兼ねて、夜の水商売において大切にしていることをお話いただきました。
明美ママは40年水商売の世界にいらっしゃいますが、水商売が大好きとのこと。
近年では接待費の減少や縁の薄さ(繋がりの弱さ)も課題として感じているそうですが、水商売のテーマパークの灯を消さず、後輩の皆さん伝えていくことで、水商売を楽しみながらお仕事していただきたい、と語っていただきました。
今回のセミナーでは「女の子を売れっ子にするポイント」に着目してご紹介いただきました。
女の子それぞれの個性の目を摘み取らず、いかにして育て上げていくかが女の子が売れっ子になるかどうかの鍵となります。そして最終的にはお店の躍進にも大きく影響するのではないでしょうか。
書いた人:ナイト店舗開業支援事務局
主に記事・イラスト担当。20代に夜の飲食店の楽しさを知り、ディープな世界観に魅了される。カラオケの魅力をわかりやすく・楽しく伝えることに日々奮闘中!
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