
みなさまは「コンセプトバー」という言葉をご存じですか?お酒を楽しむことだけではなく、お店がそれぞれ掲げている「コンセプト」に沿った楽しい空間を提供してくれる場です。ここ最近ではSNSの普及により、非日常感を求めるお客様が増え様々なコンセプトバーが全国に次々と出店されています。今回は今流行の「コンセプトバー」の魅力と、これからコンセプトバーの開業や経営を検討されている方に向けて実践的なポイントをお伝えします。
コンセプトバーとは?
「コンセプトバー」とは「特定のテーマを取り入れて全面に押し出すことで、他のバーとの差別化が図られたバー」のことです。お店に訪れることそのものが「体験」になるような工夫がされているのが特徴です。昭和懐古の空間、シーシャなどのエンタメ体験、秘密クラブのような世界観などテーマ性の強い内装・演出・エンタメを売りにするお店などバーのあり方は極めて多様化しています。このように「何か一つの特定のテーマ」を深掘りし、それを徹底することで他のバーとの差別化を実現しているのがコンセプトバーの本質です。開業する際にはこの「独自のコンセプト」をいかに磨き、顧客に訴求するかが、集客とリピート率向上の鍵となります。
どんなお店がある?
実際に流行しているコンセプトバーの業態例をご紹介します。
●シーシャバー
シーシャ(水たばこ)を吸いながら、ゆったりとした空間でドリンクや会話を楽しむバーです。シーシャの多彩なフレーバーとリラックスした非日常感が人気の理由。若い世代を中心に爆発的な人気を集めており、全国での出店が相次いでいます。
●ネオ昭和系バー
昭和の雰囲気を現代風にアレンジしたコンセプトバーで、懐かしさとオシャレ感が融合した「エモい空間」として、若者や観光客の間で人気があります。あえて古いポスターや商品パッケージを再利用したり昭和歌謡をBGMにしたり比較的簡単に雰囲気が出せます。
●秘密クラブ風・紹介制バー
今密かに人気を集めている“特別感”と“排他的ラグジュアリー”を武器にしたコンセプトです。紹介制・会員制・隠れ家風にすることで、SNS時代に逆行するような「選ばれし者だけの場所」感を演出します。入店の仕組みも紹介制だけでなく、お店のSNSにDMをした人に合言葉を送るなどすれば入店ハードルも下がるので集客への影響は少ないと考えられます。
●ゲームバー
ダーツ、ビリヤード、ボードゲーム、eスポーツなど複数のゲーム体験を提供するバーです。ゲームを通じて知らない人同士が自然とコミュニケーションを取ることができ、リピート率が高いのが特徴。また一度の来店で複数人が長時間滞在することが多いため、客単価向上が見込めます。さらにカラオケとの相性が極めて良く、ゲーム+カラオケのハイブリッド業態として展開すれば、多様な顧客ニーズを満たせます。
●ヴィジュアル系バー
ヴィジュアル系ロック・メタルの世界観を徹底的に表現したバーです。店内はダークで神秘的な内装、V系アーティストのポスターやグッズで統一され、ファンの聖地となっています。V系好きのコミュニティが自然と形成され、共通の推しアーティストを持つお客様同士がコミュニティを形成しやすく、リピート率が非常に高いのが特徴です。またSNS拡散による集客効果も期待でき、推し活の場として機能します。このようなV系ファンコミュニティバーでは推しのV系楽曲をカラオケで熱唱したい層が確実に存在し、同志との一体感を生むための重要な要素となります。
コンセプトバーの特長
コンセプトバーの最大の特長は「非日常感」と「コミュニティ形成」です。シーシャの煙に包まれた異国情緒、昭和懐古の世界観、V系の暗黒的な雰囲気など独特のコンセプトを徹底することで、お客様に日常では味わえない特別な時間を提供します。この非日常感が強い来店動機になるため、ターゲット層を絞った集客が容易です。 また共通の趣味や世界観に惹かれたお客様が自然と集まるため、顧客同士の繋がりが生まれやすいのも大きな特徴です。リピーターになると「同志に会いたい」という新しい来店動機が生まれ、長期的なリピート率向上に直結します。
コンセプトバーとコンセプトカフェの違い
コンセプトバーとコンセプトカフェはどちらも「特定のテーマで差別化したお店」ですが、営業形態やターゲット層が大きく異なります。
コンセプトバー
特定のテーマを取り入れてキャストや顧客同士の会話を楽しむ空間
営業時間:夕方~深夜 ※接待を伴わない場合
接客スタイル:会話、交流
コンセプトカフェ
メイド、アイドルなど非日常な世界観を感じながらドリンクや軽食を楽しむ空間
営業時間:朝・昼〜夜
接客スタイル:会話、イベント
近年では一括りにする場合もありますが、エンタメの役割が異なります。例えばコンセプトバーではカラオケやゲームが「メイン価値」として集客と客単価向上に直結しますが、カフェではプラスアルファの付加価値に位置づけられます。業態選択によって経営戦略が変わってくるので開業前には明確にしておきましょう。
バー開業のコンセプト立案
バーのコンセプトを決める際は、「5W2H」を意識すると考えやすくなります。各項目について、バー開業時の視点で見ていきましょう。
何のためにやるのか(Why)
バーを通じて、どのような価値をお客様に提供したいのかを明確にしましょう。例えば「特定の趣味を共有する人たちの居場所を作りたい」などバーの存在意義を言語化することが重要です。このビジョンが明確であるほど、その後の全ての判断(内装、メニュー、営業時間など)が一貫性を持ちます。
誰に提供するか(Who)
ターゲット顧客を明確に絞り込むことはバー経営において最重要です。年齢、性別、職業、ライフスタイルなどできるだけ細かく顧客像を設定しましょう。より具体的なペルソナが作れれば、その後の空間設計やメニュー開発が格段に容易になります。
どのような空間・メニューを提供するか(What)
●空間(内装・雰囲気)
シーシャバーなら異国情緒、ネオ昭和系なら懐かしさとモダン性の融合、V系バーなら暗黒的で神秘的な世界観など、コンセプトに合致した内装を設計しましょう。
●メニュー
アルコールの種類(カクテル、ウイスキー、クラフトビールなど)、フードメニューの充実度、そしてカラオケなどのエンタメ体験もここでしっかり決めましょう。
<ポイント>
内装イメージがある場合は写真を撮ったり、画像を保存しておくと内装業者や不動産業者との相談がスムーズです。
どこでカフェを経営するか(Where)
ターゲット顧客のライフスタイルに合った立地を選定することが重要です。競合店の有無や、アクセスの便利さも重要な判断材料となります。
営業時間はどうするか(When)
ターゲット層によって営業開始時間は大きく変わります。会社員向けなら18時~、学生向けなら20時~、深夜営業で特定層を狙うなど顧客のニーズに合わせた営業時間を設定することで、効率的な集客が実現できます。
<ポイント>
最近ではカフェ&バーとして昼間~深夜まで営業する店舗も増えています。
どのようにサービスを提供するか(How)
接客スタイル、お客様との距離感、カウンター文化などサービスの提供方法を設計します。スタッフの個性や会話スキル、常連客との関係構築などがリピート率を大きく左右します。「どのような接客でお客様を楽しませるのか」を事前に想定しておくことが重要です。
いくらで提供するか(How much)
原価、家賃、スタッフの給与などのランニング費用を計算し、現実的な価格設定を行いましょう。ドリンク単価、セット料金、カラオケチャージなど複数の収益源を設計することで、安定した売上を見込めます。
コンセプトバー経営にはカラオケが欠かせない理由
独特の世界観やテーマを売りにする業態だからこそカラオケは単なる「オプション」ではなく、コンセプトを実現させるためのエンタメツールです。ここではコンセプトバー経営においてカラオケが必須である理由を説明します。
コンセプト実現の最強のツール
V系バーなら「推しのV系楽曲を熱唱したい顧客」、推し活バーなら「推しアーティストの曲をカラオケで歌いたい顧客」、ゲームバーなら「ゲームの興奮をカラオケでさらに高めたい顧客」などカラオケは各コンセプトバーの世界観を最も直接的に体験させられるツールになります。
またJOYSOUNDの豊富な楽曲数なら、どのようなコンセプトバーでも顧客ニーズに対応することができます。「うたスキ ミュージックポスト」によりニッチな楽曲まで網羅しています。
ファン層の獲得とリピート率の向上
カラオケを通じて同じ推しアーティストのファン同士、同じゲーム好き同士が自然とコミュニティを形成します。「あのお店で推しの曲を一緒に歌える仲間がいる」という強い繋がりが生まれることで、来店目的が進化しお店の価値が大幅に向上します。
滞在時間延長と客単価向上
カラオケがあるとお客様は自然と長く滞在します。歌う時間、友人と盛り上がる時間が増えることでドリンク追加注文が増加し、客単価が向上します。JOYSOUNDのハイレゾカラオケにより「このお店で歌うと気持ちいい」という体験が生まれることで、さらなるリピート率向上と滞在時間の延長が期待できます。
コンセプトバー経営で差別化と収益を実現するポイント
コンセプトバーを長期的に成功させるには、開業時の準備だけでなく、開業後の運営戦略が極めて重要です。ここでは、差別化と収益を両立させるための2つのポイントをご紹介します。
期間限定企画で常にお客様を楽しませる
コンセプトバーの最大の課題は「飽き」との戦いです。お店のコンセプトの軸は固定しつつ期間限定企画を通じて、常にお客様に新しい驚きと体験を提供することが重要です。例えばゲームバーなら「新作ゲームのリリース記念イベント」といった季節やトレンドに合わせた限定企画により、既存顧客のリピート動機を生み出し新規顧客の来店を促進できます。
カラオケを活用した収益モデル構築
1曲200円などカラオケ自体を有料化してドリンク・フードとは別の利益を生み出すことができます。他にもチケット制や歌い放題などお店のコンセプトに合わせた課金方法も充実しているのがカラオケのメリットです。
いくらに設定したら、どの程度利益が立つのか。詳しい売上シミュレーションについては下記コラムをご覧ください。
コンセプトバーは単にテーマのあるお店を作ることではなく、お客様に「ここにしかない体験」を提供し、その世界観に惹かれたお客様が自然と集まる場所を創造することです。独特の世界観こそが競合店との差別化を実現し、長期的なビジネス成功を生み出します。そして、その世界観を最も直接的に体験させるツールがカラオケです。推しアーティストの曲を熱唱したり、ゲーム好きな仲間と盛り上がったりとカラオケはこれらを全て実現します。
「こんなお店があったらきっと楽しい!」というワクワク感を大切にしながら、カラオケを戦略的に活用して多くのお客様に愛されるコンセプトバーを作り上げてみませんか?ご不明な点やご相談がある方はお気軽にお問い合わせください。あなたのコンセプトバー開業の成功を心から応援しています。
書いた人:ナイト店舗開業支援事務局
こうご:主に記事・イラスト担当。20代に夜の飲食店の楽しさを知り、ディープな世界観に魅了される。
荒木・原:ナイト市場のカラオケ提案を最前線で行い、カラオケナイト市場のいろはを知り尽くした猛者達。その経験・知恵を記事に落とし込み、生きた記事を生み出せる源になっている。