第19回日本補完代替医療学会学術集会での
有効性発表内容について
目的
補完代替医療法の組み合わせが認知機能低下の予防効果の有無を実証することを目的とした。具体的には老健施設などで実際に行える運動・音楽・アロマ療法などの補完代替医療の組み合わせでMini Mental State Examination(MMSEと略す)等の指標で対照群と比較することで認知機能低下への予防効果を確かめることを目的とした。
株式会社ライフサイエンス研究所、公益社団法人虹の会、NPO法人KYG協会とエクシングおよび介護老人保健施設ハートケア市川との共同研究
方法
2016年5月から老健施設(ハートケア市川)の入居者で健常者から認知症の疑いのある方も含めた31名を対象に(参加群21名、対照群10名)週2回のパフォーマンスを3ヶ月行った。
ハートケア市川での実施風景
1日のパフォーマンス実施内容(約1時間)
- (1)能動的音楽療法と軽度運動療法
懐かしい皆が知っている歌3曲位の合唱、ラジオ体操、クイズ、等 - (2)アロマ療法
柑橘系ハーブ(レモン)使用、交感神経刺激 - (3)受動的音楽療法
528Hz モーツァルトの楽曲など
※(1)(3)には「JOYSOUND FESTA」(エクシング社製)に搭載された『健康王国』を使用しました。
測定項目 MMSE 、指タッピング計測
測定実施日 5月17日、6月17日、8月23日 計3日
MMSEとは
主に見当識(現在の日時や日付)、記憶力、計算力、言語力 などを測定するためのテストです。
MMSEの実施風景
MMSE質問票
MMSEの測定結果
MMSEスコアの継時的変化
MMSE個人別のスコア① 参加群
MMSE個人別のスコア② 一時参加群・対照群
指タップ装置を用いた測定結果
指タップ試験結果1.
左手の指の接触時間のばらつき
指タップ試験結果2.
左手の指の総移動距離
臨床試験のまとめ
- 1.パフォーマンス全26回の内、半数以上(13回以上)参加した参加群18名のMMSEを平均点で見ると0.28ポイント強上昇した。一時参加群4名(12回~3回参加)も同様に平均点が0.25ポイント上昇した。しかし、対照群6名は0.67ポイント低下した。
- 2.今回の臨床試験の結果、 参加群18名のうち健常者4名を除く14名中8名でMMSEは1-6点の改善がみられた。 ・それに対して、対照群6名中3名は▲6から▲1の低下がみられた。
- 3.MMSEと相関が認められた 指タッピング計測でも参加群は対照群と比べると総移動距離の低下や指の接触時間のばらつきが少なかった。 ・指タッピング計測の2つの指標で参加群と対照群とで差が見られた。
結論
今回の臨床試験では、運動・音楽・アロマ療法など補完代替医療法の組み合せで参加群を対照群とで比較すると、認知機能の改善傾向が見られた。